
大垣市で子どもの口呼吸が気になる方へ。歯並びとの関係と相談の目安
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著者:田中勝治 歯科医師(田中矯正歯科おとなこども歯科)最終更新日:2026年9月19日
この記事でわかること
- 口が開いている状態と口呼吸の違い
- いびき・鼻づまりがあるときの受診のタイミング
- 耳鼻咽喉科・矯正歯科・機能訓練を含めた治療の選択肢
まずお伝えしたいこと
「いつ見ても口が開いている」「何度注意しても口を閉じない」と気になる保護者の方は少なくありません。ただし、本人の癖や意識だけが原因とは限りません。実は、唇が開いていることと口呼吸は同じではありません。鼻づまり、アデノイドや扁桃(へんとう)、歯並び、あごの位置、唇の閉じにくさなどを分けて確認することが大切です。大垣市の当院(田中矯正歯科おとなこども歯科)では、歯並びだけでなく、唇・舌・あご・噛み合わせを確認します。鼻やのどの評価が必要と考えられる場合には、鼻腔通気度検査をいたします。また、耳鼻咽喉科での確認も含めて整理します。Web予約はこちら(新しいタブで開きます)
どんな状態が「よくある」か
口が開きやすいお子さんでは、次のような様子がみられることがあります。
- 「テレビを見ているといつも口が開いている」
- 「寝ているときに口を開けている」
- 「鼻で息をするのが苦しそうに見える」
- 「夜になると大きないびきをかく」
- 「前歯が出ていて唇を閉じにくそう」
- 「何度口を閉じるよう言っても、すぐ開いてしまう」
考えられる原因
口が開いている背景には、呼吸と歯・あごの両方が関係することがあります。
- 鼻づまり: アレルギー性鼻炎などで鼻が通りにくいと、口から呼吸しやすくなります。まず鼻で十分に呼吸できる状態かを確認します。
- アデノイド・扁桃肥大: アデノイドや扁桃とは、鼻やのどの奥にある組織です。大きい場合には空気の通り道が狭くなり、いびきや口呼吸につながることがあります。
- 歯並び・あごの位置: 前歯の突出や上下のあごの関係によって、自然に唇を閉じにくい場合があります。歯だけでなく横顔や噛み合わせも確認します。
- 唇や舌の使い方: 鼻呼吸ができても、唇や舌の使い方の癖が残る場合があります。必要に応じて口の機能を評価します。
- 睡眠時の気道の狭さ: 大きないびきや無呼吸を伴う場合には、歯並びより先に鼻やのどの評価が必要です。
- 稀にその他の気道の問題: 稀に一般的な鼻炎や扁桃肥大以外の病気が呼吸へ影響する場合があります。強い呼吸症状があれば念のため医療機関で確認します。
口呼吸と歯並びには関連があります
2026年に公表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、口呼吸の子どもでは、鼻呼吸の子どもと比べて上の歯列が狭い傾向や、奥歯の交叉咬合(こうさこうごう)が多いことなどが報告されています。
システマティックレビュー・メタ解析とは
システマティックレビューとは、同じテーマの研究を一定の方法で集める研究です。メタ解析とは、それらの研究結果を統計的にまとめる方法です。ただし、これは「口呼吸をしたから歯並びが悪くなった」と一人ひとりについて断定するものではありません。研究ごとに口呼吸の診断方法にも違いがあります。もともとの歯並びやあごの形によって口を閉じにくく、その結果として口が開きやすくなっている場合もあります。呼吸と歯並びは、原因と結果を一方向に決めずに確認することが大切です。
受診の目安
いびきや口呼吸がある場合は、昼間だけでなく睡眠中の様子も確認してください。
早急に受診が必要なサイン
呼吸が十分にできていない可能性がある場合は、歯並びの相談よりも全身状態への対応を優先します。
- 呼吸が止まり、唇や顔色が青紫色になる
- 息苦しさが強く、呼吸が明らかに困難
- 起こしても反応が悪い、意識が普段と異なる
- 急な喉の腫れなどで呼吸・飲み込みが難しい
早めの相談をおすすめするケース
次の期間は診断基準ではなく、相談を先延ばしにしないための目安です。
- 大きないびきが1週間以上繰り返して気になる
- 鼻づまりが1か月以上続いている
- 口が開いた状態が3か月以上続き改善しない
- 睡眠中に何度も呼吸が止まるように見える
- 前歯やあごの位置によって唇を閉じにくそう
様子見する場合の注意点
- 鼻が苦しそうなのに無理に口を閉じさせない(呼吸を妨げる可能性があるため)
- 「癖だから」と決めつけて強く注意し続けない(原因が別にある場合があるため)
- いびきや無呼吸を歯並びだけの問題として放置しない(気道の評価が必要な場合があるため)
矯正歯科で確認すること
矯正歯科では、口が開く背景に歯並びやあごが関係しているかを確認します。
- 問診: 鼻づまり、いびき、睡眠中の様子、口が開く時間帯を確認します。睡眠中の動画があれば参考になります。
- 視診: 歯並び、前歯、唇の閉じ方、舌の位置などを確認します。
- 触診(しょくしん): あごの動きや周囲組織を必要に応じて確認します。
- 検査: 噛み合わせやあごの位置を評価し、必要に応じて画像検査などを行います。
治療の考え方
治療は「口を閉じさせること」ではなく、原因ごとに考えます。
- 耳鼻咽喉科での治療: 鼻炎やアデノイド・扁桃などが関係する場合は、鼻やのどの状態に応じた治療を検討します。
- 矯正治療: 歯列の狭さや前歯、あごの関係に治療が必要な場合に検討します。矯正だけで口呼吸が必ず治るわけではありません。
- 口腔機能への対応: 鼻呼吸が可能な状態で、唇や舌の使い方に課題が残る場合は、状態に応じた機能訓練を検討します。
- 継続的な成長観察: 子どもは歯並びやあごが成長途中です。呼吸・歯列・噛み合わせを必要に応じて経過観察します。
矯正治療だけで口呼吸を治すとは考えません
上あごを広げる矯正治療などについて、鼻腔や気道への影響を調べた研究があります。しかし、矯正装置を使えば鼻づまりや睡眠時無呼吸が治る、と一律には言えません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、小児の大きないびきの原因として、アデノイド肥大、扁桃肥大、鼻づまりなどを挙げています。睡眠中に大きないびきや無呼吸がある場合は、まず呼吸を確認することが重要です。歯並びを治すことと、鼻やのどの病気を治すことは分けて考えます。
今日からできるセルフケア
家庭では「閉じなさい」と注意するより、状態を観察することが役立ちます。
- 睡眠中の様子を記録する: いびきや胸・あごの動きを診察時に伝えやすくなります。
- 鼻づまりの時期を記録する: 季節性や継続期間を把握できます。
- 無理に口を閉じさせない: 鼻呼吸が難しい状態では呼吸を妨げないためです。
- 歯みがきを続ける: 口が乾燥しやすい場合も、むし歯や歯ぐきの炎症を防ぐために清潔を保ちます。
当院の診療方針
当院では、「口が開いているから矯正する」と一つの症状だけで治療を決めません。鼻で呼吸できているか、唇が自然に閉じるか、舌がどう動くか、歯列やあごに問題があるかを分けて確認します。田中勝治は1998年に下顎位(かがくい)について研究・報告し、2001年には顔のタイプ、奥歯の傾き、下顎骨の皮質骨(ひしつこつ)との関係について共同研究を行ってきました。長年の矯正臨床でも、歯並びだけでなく、顔貌(がんぼう)・下あご・噛み合わせをつなげて見ることを大切にしています。
下顎位とは
下顎位(かがくい)とは、下あごがどの位置で噛んでいるかという意味です。歯がきれいに並んでいても、唇を無理なく閉じられない、噛み合わせが安定しないのであれば、見た目だけでは十分に評価できません。大垣市の地域のかかりつけ医として、一般歯科・小児歯科・矯正歯科を分けすぎず、必要に応じて医科での確認も含めて考えます。「口が開いているだけで相談してよいのかな」と遠慮する必要はありません。歯並びを整えることだけが治療のゴールではありません。唇が無理なく閉じ、歯が自然に見え、前歯と奥歯がそれぞれの役割を持ちながら噛めること。見た目と口の機能を一緒に整えていくことが、当院が大切にしている「機能美」へつながります。
よくある質問
Q1:子どもがいつも口を開けています。すぐ矯正が必要ですか?
口が開いているだけで、すぐ矯正が必要とは限りません。まず鼻で十分に呼吸できるか、歯並びやあごによって唇を閉じにくくなっていないかを確認します。鼻づまりや大きないびきがある場合は、耳鼻咽喉科での評価も検討します。
Q2:「口を閉じなさい」と注意すれば口呼吸は治りますか?
鼻呼吸が難しい状態では、注意するだけで改善させることは難しいです。まず鼻やのどに呼吸を妨げる原因がないか確認します。鼻呼吸ができる状態でも唇や舌の使い方に課題が残る場合は、歯科で機能面を確認します。
Q3:口呼吸をしていると必ず歯並びが悪くなりますか?
必ず歯並びが悪くなるとは言えません。研究では口呼吸と狭い歯列や交叉咬合などとの関連が報告されていますが、明確な因果関係を一律には判断できません。現在の呼吸、歯並び、あごの成長を実際に確認することが大切です。
参考情報・監修
本ページは一般的な情報であり、症状がある場合は医師・歯科医師にご相談ください。正確な診断には対面での診察が必要です。










